kosaji

JOURNALcontactINSTAGRAMTWITTER
Kosaji Journal
2018.11.28 Wednesday
craft

Antonis Cardew Wooden Plates leaflet

 

アントニスの木の器を日本でご紹介させていただくのも今年で7年目となりました。

 

おかげさまですこしずつたくさんの方に知っていただけるようになり、感謝の気持ちをこめまして、昨年のポストカードに続き、今年もご購入いただきました方へのささやかなプレゼントをご用意しました。

 

初めてアントニスの家を訪れたとき、心を奪われたのは、キャビネットの上に積み重ねられた、何十年もアントニスと家族によって毎日使い込まれた木の器でした。

 

カトラリー痕や食べ物の記憶、しっかりと“生活の痕跡”の刻まれた器の深い色とやさしい手触り。陶芸家の祖父マイケル・カーデュー氏の「クラフト=日常のもの。使うことを楽しむことが大切」という教えのもと、器も家具も木は使い込んでキズやシミがついてこそ、大地から引き継いだ命が生き生きと生き続ける、というアントニス。

 

アントニスの木の器を日本で販売するようになり、時々耳にしていたのは「もったいなくてなかなか使えない」「キズやシミがつくのが心配…」という言葉でした。

 

私自身、それまで木の器は、汁碗やお茶菓子用の小皿程度しか持っていなかったので、はじめはアントニスのように、のびのびと使う勇気はありませんでした。まずはクッキーやタルト、パン。次にパンケーキとメープルシロップ。徐々に使って洗ってを繰り返すうちに、最初はちょっとしたシミにもドキドキしていたのが、気にならなくなり、毎日の食卓に並ぶようになりました。

 

陶器や磁器、ガラスと違い、手触りやカトラリーの当たりがやわらかく、使い込むほどにその人なりの木肌に育ってゆくのも、木の器の魅力。そして、アントニスの家やアトリエで、オイルたっぷりのパスタや、ソースのついた肉や野菜にと、シミや欠け、ワレも気にならないほどに、のびのびと使われ表情豊かになっている器を前に、日本の皆さんにも同じように気兼ねなく日常の器として使っていただきたいな、と思いました。

 

とは言え、道具の扱い方やお手入れの方法も、大らかなヨーロッパの人々と日本人とでは当然違うもの。どうしたらもっと自由に木の器を使ってもらえるだろう…というところから、強力なアドバイザーとして、木の道具がお好きで、素朴でシンプルなお料理を作られている料理家の長尾智子さんに、木の器を使いこなすコツを教えていただくことにしました。

 

前置きが長くなりましたが、今回のプレゼントは、アントニスの器を使った長尾さんのお料理のご紹介と、木の器をについて綴ってくださった文章にアントニスの紹介を添えた小さなリーフレットです。デザインは、いつも長尾さんの書籍をはじめ、料理本を中心にさまざまな書籍のデザインを手がけている茂木隆行さん。

 

お忙しいおふたりと(とても!)限られた時間のなかで製作したので、ごく簡単なものですが、木の器を使う「ちょっと背中をひと押し」になりましたら嬉しいです。

 

最後に、大変お忙しいスケジュールのなか、ご協力いただきました長尾さん、茂木さん、心強いサポートほんとうにありがとうございました。大先輩のおふたりのサクサクテキパキとしたお仕事ぶり、かっこよかったです。心より感謝いたします。ありがとうございました。

 

リーフレットは、アントニスの作品をご購入いただきました方に差し上げる予定です。どうぞお楽しみに。

 

また、今月号の雑誌 SPURの p262 長尾さんの連載『長尾智子が語る、うつわと料理 美味しいひと皿、あります』にて、アントニスの木の器をご紹介いただいています。そちらもぜひご覧ください。