2010.07.29 Thursday
人形の欠片
6月の買い付けで見つけたもののひとつ。「フローズンドールの欠片」。フローズンドールとは陶磁器の人形で、私が見つけたものは100年くらい前のドイツのチューリンゲンという「人形の町」で作られた、小さなフローズンドールの欠片。顔や足しかなかったり、腕がもげてしまっていたり。壊れた人形というのは、一種の美しさと不気味さが表裏一体となっているところに惹かれるように思う。青白い肌と穏やかな表情の、その儚さに。
今日は久しぶりの雨、曇り空にほっとした。暑い日が続いていよいよ脳もとけてきたのか、大きな魚になって深い海の底の音も時もない世界をしーんと泳ぐ…というような夢を見た。水の中に潜ったときの、耳がふさがる感じとか、妙にリアルな夢だった。もしも生まれ変われたら、やっぱり魚がいいなぁ。鳥にもなってみたいし、野生の馬も捨てがたい…。
好きな映像監督にカレル・ゼマンという人がいます。チェコアニメーションの創設者のひとり。とくに好きなのは、
「ほら男爵の冒険」や
「水玉の幻想」。幻想的な世界が美しく、夢の中みたいな奇妙さやシュールさもあって好きなのです。
昨日は、久しぶりに映画を観に行った。夜風に吹かれながらの星空シネマ。東京タワーも見えるナイスロケーション。かわいい子供達が大活躍するデンマークの「マイ・シスターズ・キッズ」という映画を観た。たくさん笑って、心があったまって、よい映画だった。フランスでは夏になるとよく公園で野外シネマを見たけれど、日本でももっとあったらよいのに。裸足で芝生に寝っころがりながら、ビール飲みながら。フランスの夏で恋しくなるのは野外シネマと移動遊園地。河沿いのピクニケも…。
2010.07.22 Thursday
夏の思い出

夏になるといつも思い出す場所があります。十年以上前、一年だけ暮らしたアメリカの田舎町。地図にも載っていないようなとびきり小さな町で、都会のアメリカ人に言うと、揃って頭をかかえて同情されてしまうような、まさにミドル オブ ノーウェア。
町の中心には100年以上前に建てられた古い映画館と、ファーマシー、銀行と郵便局、さえないレストランと、ファーストフードとスーパーがあるだけ。私はそこで留学生として一年を過ごした。町には私以外日本人どころかアジア人もおらず、住民の半分近くは、トレーラーハウスに住んでカントリーミュージックを聴いているようなアメリカでもかなり貧しい田舎町だった。
それでも、あの町で過ごした一年間は、これまでの人生で一番多くのことを知り、経験した濃い時間だった気がする。ボブディラン、ピストルズ、ローリングストーンズ。MTV、ウッドストック、モンティパイソンにロッキーホラーショー。初めて教えてもらったギターはレッド・ツェッペリンの「ステアウェイ トゥ ヘブン」だった。
もう遠い記憶のはずなのに、あの場所での時間だけは、夏になるとくっきりと光の眩しさまで鮮やかに思い出す。森の湖で服のまま泳いだこととか、ありとあらゆるどうしようもないものを燃やして焚き火をした夜とか。きっともう二度と戻ることのない場所だけれど。
2010.07.19 Monday
きのうの骨董市
昨日は、大江戸骨董市に出店してきました。そよそよ…とエアコンの効いたお店で店番をしながら日誌を書いていると、昨日の暑さを忘れてしまいそうですが、久しぶりの夏の骨董市、暑かったです!
ちょうど木々の下だったので木陰にはなっていたのですが、それでも午後からは日が射してきて、日傘がないと頭がくらくらしてくるほどでした。
昨日は、お店のカードを忘れてしまったり、はりきって商品を持っていき過ぎて、ディスプレイがうるさくなってしまったり反省点もあったのですが、おかげさまで無事終えることができました。小匙舎にお立ち寄りいただいたみなさま、ありがとうございました。
夕方から吉祥寺の店を開けるため、一足先に大急ぎで店をたたんで吉祥寺へ。ハードな一日でしたが、店を開けた途端に早速お客さんが入って来てくれて、うれしかったです。
おかげさまでオリジナルのリネンバッグもご好評いただいています。若い男の子から年配の女性まで幅広く買っていただいて、「ちょっと渋すぎたかな…」と心配していた色も、気に入っていただけて「うれしはずかし」で小躍りしたい気持ち。
昨夜は、久々に大好きな人達と「ごはん会」。お店の近くのビストロに初めて行ってみた。みんなでちょこちょこ食べるのは楽しいな。楽しげな夏のお出かけ計画もいろいろあがった。デジタル夫婦に流行りの「ツイッター」も教えてもらったのに、一晩経ったら早速やり方がわからなくなった…。ホロホロ鳥の話はちゃんと覚えてるのにな。ちなみにホロホロ鳥って「ほろ、ほろ」って鳴くから「ホロホロ鳥」って言うんですって。そしたらにわとりは「コケコケ鳥」か。
2010.07.17 Saturday
ゲゲゲ
最近朝ごはんを食べながら、かかさず見ているドラマ。NHKの朝の連続テレビ小説「ゲゲゲの女房」。「わーい水木先生のドラマだー」と見始めたら(ホラー漫画は苦手なんですけれど、なぜか水木先生と楳図先生は好きなんです。漫画というより作家本人が好きなんだなー)、なかなかおもしろくて見続けています。
ここのところ水木家は貧乏神にまとわりつかれて、かなりの貧乏生活が続いていて、共感したり応援したりしながら見守っていたのですが、今朝の回でようやく貧乏神が去ってゆきました!水木先生がマンガで賞をもらったのです!
あーほんとによかったねぇ…と晴れ晴れとした気持ちで観た。このドラマ、まわりを固めるキャラクターもよいのですが、なにより水木しげる氏がいいのです。どんなに貧乏でももてはやされても、何があっても動じずひょうひょうとしていて、どんなに困ったことや不運にみまわれても「さわいでもどうにもならんだろ」と、マイペース。あっけらかんとしているのに、ドキッとする深いことをつぶやいたりするし、曲がったことはせず人の情も厚いのに、ちっともえらそうじゃなくて、ごくごく自然に。
なんだか勇気をもらえる。
ちなみに以前テレビで見た本物の水木先生は、もっともっと野性的な人だった。それとも、歳とってどんどんパワーが増してるのかな…。
明日の骨董市、どうやら開催されそうです。暑さにマケズ、ガンバリマス。
2010.07.16 Friday
イレモノ

ようやく夏らしい天気になってきました。夏の空はなんだかとても広く感じる。水彩絵の具に水をいっぱい混ぜたような、透きとおるような青。夕暮れの幾重にも重なる色のグラデーションは、日々のアレコレも溶けてなくなっちゃいそうでつい見とれてしまう。
ヘルシンキの
Jenni Ropeさんというアーティストの映像。とくに好きなのは二番目の「3 AM」。遠い思い出の夏はこんな色をしていた気がする。前回のヘルシンキで、彼女主催の本屋さんに行きたかったのに、時間が足りず行けなかった。paintingsの色がキレイ。
今日はイレモノをいろいろ。今回の旅、いつのまにか「イレモノ」ばかりたくさん集めてしまいました。イレモノといっても、「スタッキング可!」とか「驚きの大容量!」みたいな実用主義ではなくて、カタチの美。素材も大きさも形もいろいろ。

木の茶筒のようなイレモノと、靴クリームの缶。(ともにベルギー)

クリームポット。アルミの蓋がすき。(フランス)


花びらのように開く布張りの裁縫箱。中には銀の指ぬきや糸、メジャーなどがぎっしり。持ち主の美しいマダムが大切に持っていたものを譲っていただいた。溜息のこぼれる出会いだった。(フランス)

陶器の入れ子のキャニスター。田舎の家から初だしのところを見つけたもの。残念ながら蓋はないのですが、ひかえめな青い花の装飾と貫入の入り具合がよい感じ。
今週末、18日(日)は大江戸骨董市に出店します。買い付け後初の骨董市なので、できる限りイロイロ持って行こうと思っていますので、どうぞお楽しみに。暑さと突然の雨が気がかり。
先日またひとつ大人になってしまったのですが、世間的には所謂一つの大きな区切りなのだろうけれど、昨日も明日もそんなに変わらない気がしています。よい意味で。心身を持ってゆかれるほど衝撃的なヤマはもうずいぶん前に越えてしまったのかな…それとも、ちょっとやそっとじゃ揺さぶられなくなってしまったのかもしれない…。